管内蔵車止めは、角形鋼管の内部空間を活用し、 メンテナンス性・景観性を向上させた車止めです。


特徴と効果
管内蔵車止めは、コラムストッパーの内部空間に管を内蔵できるよう加工を施した車止めです。
角形鋼管の強度と加工性を活かし、車止め内に管を納めることで岸壁上での設置が可能で、漏水などの補修時にも短期間で工事が出来るメンテナンス性も備えています。
1角形鋼管の加工性を活かし、岸壁上に設置!
港湾における管の整備は、構造物への埋設もしくは添架する方法が一般的でありましたが車止めに内蔵させることで岸壁への設置が可能になり、施工性、メンテナンス性を向上しました。
2メンテナンス性を向上!
管の材質や大きさによっては車止め本体のコラムをスリット仕様にすることで万が一の破損や補修の場合でも、車止め本体の交換・管のメンテナンスが可能に出来るよう工夫されております。
3イニシャルコスト削減と工期短縮!
管内蔵車止めは構造物に埋設する場合や桟橋下部に添架する場合と異なり、上部工のみでの施工となるため、社会的環境に左右されずにコストを抑え施工が出来ます。



特徴
内蔵する管の種類や設置方法及びメンテナンス方法にあわせて標準仕様と角形鋼管底面を切り欠いたスリット仕様があります。
管の連結・メンテナンス作業は省スペースで行う仕様です。
コルゲート管やホースなどを収納する際に採用されています。



管の設置・メンテナンス作業は車止め本体(角型鋼管)を外した広いスペースで行える仕様です。
鋳鉄管やポリエチレン管などを収納する際に採用されています。



車止めの規格
内蔵する管の規格により収納可能な車止めの規格を選定します。
検討される管の外径サイズをご確認ください。

■使用する管のサイズに応じた車止め規格
選定された仕様と管及び管の連結に用いる継手の最大の外径寸法により、施工可能な車止めの規格を選定します。

※管は必ず“最大外径”の寸法をご確認ください。
給水管の規格は特に内径で表記されている場合があります。

■特注仕様によるご提案
管や継手のサイズが大きく車止めの標準規格に該当しない場合は、特注の仕様にて製作が可能です。
【 参考納まり図 】管外径Φ165㎜、継手外径Φ205㎜のポリエチレン管を使用した場合

割付
内蔵された管の露出を防ぐため、標準の車止めとは異なる割付を行う必要があります。
■係船柱箇所について
多くの岸壁では係船柱前方はすき間を設けて車止めが設置されていますが、車止めに管を内蔵させる場合は係船柱箇所も縁を切らずに設置する必要があります。
車止め・係船柱間を300㎜空けた場合


■車止め法線と係船柱位置が重なる場合
車止めと係船柱が同一の法線上になる場合は、係船柱を避けて管を背後に回す、又は部分的に埋設するなど管の設置方法を検討する必要があります。

露出する管をコンクリートにて保護した場合

打設前

専用カバーにて管を保護した場合

管挿入部
事例
管を内蔵するにあたり、車止めの各所に加工を施します。
施工性・メンテナンス性を考慮し、それぞれの現場に合わせて出荷します。
■管の挿入・排出部
車止め端部のエンドカバーを管のサイズにあわせ開口加工を行い、管の露出を最小限にとどめます。


■岸壁 角部
岸壁角部もコラムのL型溶接・上部開口により管の内蔵が可能です。管設置後に上部蓋の取付を行います。


■管 保持金具
ベースフレーム(2.5m~3.0m)間隔にて支持金具を用いて給水管の固定を行います。


■給水管 途中排出口
側面・下方向など、多方向への管排出要求にあわせた加工を行います。


■バルブ設置箇所
バルブ設置箇所への開口加工及び専用カバーを製作します。


■じゃばら仕様による目地間の動き対応
目地部にじゃばらシートで繋げて管の露出を防止します。


■施工・メンテナンス用簡易窓
天端の開口加工にて施工・メンテナンス性を向上します。


実績
- 発注者
- 静岡県 清水港管理局
- 工事名
- 清水港基本施設修繕費 富士見ふ頭車止め給水管修繕工事
- 現場名
- 静岡県 清水港
- 規格 延長
- CS300N(H300) 計335.2 m
- 管 詳細
- 給水管 80A Φ89.1㎜


- 発注者
- 石川県 金沢港湾事務所
- 工事名
- 金沢港 金石地区船だまり整備事業(給水設備)
- 現場名
- 石川県 金沢港
- 規格 延長
- CS180N(H180) 計121.0m
- 管 詳細
- 給水管 25A Φ34.0mm


- 発注者
- 九州地方整備局 長崎港湾・空港整備事務所
- 工事名
- 佐世保港(干尽地区)巡視船基地工事
- 現場名
- 長崎県 佐世保港(干尽地区)
- 規格 延長
- CS300(H=300) 計 11.0m
- 管 詳細
- コルゲート管 Φ100mm


- 発注者
- The Japan Association Of Marine Safety(公益社団法人 日本海難防止協会)
- 工事名
- The Project for Enhancing Coast Guard Capabilities in the Republic of Palau
- 現場名
- パラオ共和国
- 規格 延長
- CS250(H=250) 計 87.6m
- 管 詳細
- 給水管 Φ34㎜、雨水管 Φ60.5㎜、電線管 Φ42.0~66.0㎜


- 発注者
- 北海道開発局
- 工事名
- 函館港若松地区岸壁上部工その他工事
- 現場名
- 北海道 函館港 若松地区
- 規格 延長
- CS300(H=300) 計287.0m
- 管 詳細
- 給水管 100A Φ114.3mm


- 発注者
- 中国地方整備局 宇野港湾事務所
- 工事名
- 水島港玉島地区岸壁(-12m)築造工事
- 現場名
- 鳥取県 水島港 玉島地区
- 規格 延長
- CS300(H=300) 計362.8m
- 管 詳細
- 給水管 100A Φ114.3mm


- 発注者
- 中国地方整備局 境港湾・空港整備事務所
- 工事名
- 境港外港竹内南地区(-10m)築造工事(その2) 等
- 現場名
- 鳥取県 境港外港 竹内南地区
- 規格 延長
- CS300(H=300) 計288.0m
- 管 詳細
- 給水管 100A Φ114.3mm

