開発経緯について
現在、全国の港湾・漁港において老朽化対策としての維持補修等が数多く行われており車止めの補修が増えています。
それに伴い、全国各地で数多く設置されてきた被覆鋼板製車止め撤去の機会も多くなり現場ではその車止め撤去に多大な労力と時間を要し
ているのが現状です。
そのような問題を解決するために、ウォールソーを使った工法を開発しました。
特長と効果について
車止めの弱点をズバッと切断、画期的な撤去工法
ウォールソーに角度を持たせてコンクリートごと車止めのアンカーボルトを切断する工法です。
主な工程は、①切断装置の設置②車止めアンカーの切断③車止めの撤去の3工程のみで作業時間を約1/3に短縮しました。
- 従来工法の約1/3の時間で撤去可能!工期短縮に貢献します!
車止め1本につき105分⇒31分と3倍以上のスピードで撤去を可能にしました。 - リモコン操作で車止めを切断!人力作業を大幅に軽減します!
オペレーターによるリモコン操作でアンカーボルトの切断を行うため、岸壁際でのハツリや溶断作業をなくし、作業者の安全性向上と負担軽減を実現しました。 - 粉塵飛散が無く、現場をクリーンに保持!騒音問題も解消します!
ブレーカーを使用しない工法により粉塵飛散も無く、現場作業音も軽減します。
比較について
被覆鋼板製車止めの撤去にあたり、スラッシュカット工法と従来工法にて
1.施工期間、2.施工性・安全性、3.環境配慮の観点から比較を行いました。
従来工法による撤去工程(3m✕1本)
問題点
- 溶断・ハツリの繰り返し作業になり、1本撤去するために2時間近く必要とする。
- 人力で機材を使い作業をする必要があるため、岸壁より落水しないよう注意が必要。
- 季節や天候により、作業員のスピードに影響を及ぼし、撤去時間が左右される。
新工法(スラッシュカット工法)による撤去工程(3m×1本)
スラッシュカット工法ですると!
生産性の向上!
切断作業はリモコン操作と汚泥の清掃のみ。少人数・低労力で工期短縮を実現した工法。
岸壁際での作業を削減し安全面も向上。
工期が短い・作業員が確保できない・工事環境の制限が厳しい現場などではスラッシュカット工法が大活躍。
ぜひお問合せ下さい。
工事費用について
工事の内容
- 弊社作業員3人派遣
- 自在切断装置(ウォールソー)にて切断・撤去(ブレード交換含む)
- 汚泥の吸引・清掃
- レンタル(トラック・発電機等)の引取り・返却
別途必要工事費
- 水(散水車)500ℓ/日
- 撤去後の車止めの産廃処理
- 汚泥処理、汚泥回収用タンク(一時回収のノッチタンクは準備あり)
- 汚泥の吸引・清掃
- 撤去後のモルタル仕上げ
注意点
※既設車止めとコーナー材が溶接している場合は、事前に溶断する必要があります。
※上記の工事費につきましてはあくまでも参考の工事費となりますので、詳細は弊社までお問い合わせください。
参考
関東で施工した場合の工程スケジュール
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
---|---|---|---|---|---|---|
移動 撤去準備 | 撤去準備 撤去10m | 撤去25m | 撤去25m | 撤去25m | 撤去15m清掃 | レンタル品 返却移動 |
※基本的に雨天でも作業は可能です。
使用機材・手配について
スラッシュカット工法は、切断装置にウォールソーをセットし、車止めの切断と発生する汚泥の吸引・清掃作業を同時進行にて行います。
ウォールソーに必要な発電機、水及び汚泥回収用のタンク、その他の必要機材を積載したトラックと並行した作業となります。
なお、業者さまには供給用の水及び汚泥回収用ノッチタンクなどの手配と産廃処理をお願いしておりますので予めご了承ください。
工法 必要機材・作業一覧
未来航路 手配
機材 | 備考 |
---|---|
ウォールソー + 切断装置 | 切断装置:H650×W1000×L4000 約200kg キャスター付き ※工事の際は、治具設置及び移動可能なスペースが必要となります。 |
発電機 | 45kVA(400V) ウォールソー及び給水ポンプ等で使用します。 |
水用・一時汚泥回収用タンク | 1日作業の場合、約500ℓの水を使用し同量の汚泥が発生します。 弊社にて水用タンク(500ℓ)2台、一時汚泥回収用タンク(ドラム管200ℓ)1缶を準備いたします。 |
高圧洗浄機 + 集塵機 | 撤去作業中に発生した汚泥の清掃作業に使用します。 吸引した汚泥は一時汚泥回収用タンクに回収しておきます。 |
4t車及びユニック車 | 必要機材を積載した状態で施工を行います。 治具の荷下ろしのため、別途ユニック車も同行いたします。 |
業者さま 手配
機材 / 作業 | 備考 |
---|---|
水又は散水車 | ウォールソーへの供給、現場の清掃に使用します。 1日作業の場合、約500ℓの水を消費します。 |
ノッチタンク | 一時回収用タンクに蓄積された汚泥を入れる大型のタンクが必要となります。 作業の合間や各日の作業終了時などの際に移し替えを行います。 |
産廃処理 | 切断した車止めの積込作業及び車止めと汚泥の産廃処理をお願いいたします。 |
切断面モルタル仕上げ | 車止め撤去後の切断面のモルタル仕上げが必要となります。 ※参考 必要無収縮モルタル量 ≒ 0.0035㎥( 車止めH=150の場合 ) |
施工事例について
積雪による工事遅れの影響がありながらも、短期間でスムーズに車止めを撤去。
撤去延長 | 188m |
施工期間 | 5日間 |
作業員 | 4名 |
作業内容 | 車止め撤去作業 既設車止め・縁金物・溶断作業 ※産廃・汚泥水処理は含まず。 |
金沢港御供田国際ターミナルにて日本海側最大のつり上げ能力を持つクレーンが導入されました。それに伴い、岸壁の整備として、老朽化した車止めを撤去し、新たにコーナー保護材を設置する工事が行われました。
この期間に石川県で記録的な積雪に見舞われ、工事着工の遅れがありながらも、限られた期間内にて無事に作業を終えることができました。
撤去班と溶断班に分かれ作業
老朽化していた車止めと縁金物が溶接されていたため、車止めを撤去するには、切り離す溶断作業が必要でした。
そのため、まずプラズマ切断機にて溶断班が溶断作業を行い、追う形で撤去班が車止めを撤去していきました。
撤去後の産廃処理はユンボ(ハサミ)を使用
撤去後の車止めはユンボ(ハサミ)にて掴み、そのままトラックへ積載。ガラの飛散もなく、スムーズな積載ができました。
老朽化した車止めが撤去され、岸壁もスッキリとした印象に
車止めを撤去後、ハツリを行いコーナー保護材を設置しました。係船柱の再塗装や背後の補修により、綺麗な岸壁へと生まれ変わりました。
工事を行うにあたっての注意点
- 施工する地域によっては、現地にて機材・トラックの手配が必要になります。
- 撤去後の産廃処理・汚泥水の処理はご対応をお願い致します。
- 施工する地域によっては、現地にて機材・トラックの手配が必要になります。
- 撤去後の産廃処理・汚泥水の処理はご対応をお願い致します。
今回の工事にて手配していただいた機材
名目 | 数量 | 使用目的 |
---|---|---|
① 2t平車 | 1台 | スラッシュ機材運搬用 |
② 発電機 (24kvA) | 2台 | スラッシュ機材・溶断作業用 |
③ エアーコンプレッサ(20馬力) | 1台 | 溶断作業用 |
④ エアホース(20m程度) | 1本 | 溶断作業用 |
⑤ 給水場所の確保 | 1本 | スラッシュカット給水用。1~2㎥/日 |
よくある質問について
- レンタルは可能ですか。
- 現在、レンタルは行っておりません。弊社スタッフが3名で現場に行き撤去を行います。
- 水はどのくらい必要ですか。
- 1日当り約500ℓ程度使用いたします。給水用の散水車もしくは給水場所の確保をお願いいたします。
- 撤去後の車止めはどうしたらいいですか。
- 元請業者様でお願いいたします。車止めは撤去したままダンプに積載し産廃場に運搬していただいております。
- 撤去後の岸壁はどの様に修復したらいいですか。
- 既設の車止めのアンカーボルトはジンクリッジなどで錆止めを行い、岸壁のカットした部分を無収縮モルタルで補修してください。
- 撤去後の新しい車止めはどの様に設置したらいいですか。
- 同じ法線で設置するとアンカーボルト建込み時、既設のアンカーボルトに干渉する事があります。セットバックをして車止めの法線をずらすことをお勧めいたします。
- 海に汚泥が流れないのですか。
- 車止めと車止めの間にウレタンフォームと止水板により汚泥が流れないように対策を行いウォールソーが稼働している間も作業員が汚泥の吸引作業を同時進行で行います。
- 足場は必要ですか。
- 陸上工事のため足場は不要です。
- 縁金物のカットは可能ですか。
- 側面カッターも出来るように検討中です。
- 車止め以外の撤去は可能ですか。
- 検討いたしますので弊社までお問い合わせください。
- どんな車止めでも撤去が可能ですか。
- 基本的に撤去は可能です。被覆鋼板製車止めにおいて、上部コンクリートの中に鋼板が埋設されている場合、スラッシュカットの前に埋設部の鋼板(陸側)を切り離す必要があります。また、幅の広い車止めはブレードが入らない可能性があるのでご相談ください。
- 工事を依頼したい場合、どのようにしたらいいですか。
- 問合せフォームにご記入の上、ご連絡をお願いいたします。弊社担当者よりご連絡させていただきます。
実績について
発注者 | 博多港ふ頭株式会社 |
工事名 | 試験施工 |
現場名 | 福岡県 博多港(那の津ふ頭・須崎ふ頭) |
撤去数量 | 36m |
発注者 | 東京港埠頭株式会社 |
工事名 | 平成26年度外貿埠頭等ヤード舗装及びその他補修工事 |
現場名 | 東京都 お台場ふ頭 |
撤去数量 | 473m |
施工期間 | 12日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 長崎県長崎港湾漁港事務所 |
工事名 | 野母地区水産物供給基盤機能保全工事(-1m物揚場・新町線) |
現場名 | 長崎県 野母漁港 |
撤去数量 | 63m |
施工期間 | 3日 |
採用理由 | 民家隣接地域であるため、騒音を抑え、粉塵が発生しない当工法を採用。 |
発注者 | 国土交通省関東地方整備局千葉港湾事務所 |
工事名 | 千葉港中央地区岸壁(12m)付属施設改良工事 |
現場名 | 千葉県 千葉港 |
撤去数量 | 182m |
施工期間 | 5日 |
採用理由 | 輸入車搬入ヤードのため、粉塵・ガラが発生しない当工法を採用。 |
発注者 | 石川県 金沢港湾事務所 |
工事名 | 金沢港ふ頭用地整備(御供田ふ頭)工事(付属施設) |
現場名 | 石川県 金沢港 御供田埠頭 |
撤去数量 | 180m |
施工期間 | 5日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 国土交通省 九州地方整備局 |
工事名 | 平成29年度博多港(中央ふ頭地区)岸壁改良工事 |
現場名 | 福岡県 博多港中央ふ頭 |
撤去数量 | 14m |
施工期間 | 1日 |
採用理由 | 隣接する新設クルーズ岸壁との工区境の既設車止めの撤去。 クルーズ船が着岸していないタイミングで撤去を完了させ、工期短縮に効果を発揮した。 |
発注者 | 新潟県 新潟港湾事務所 |
工事名 | 新潟港(西港区)万代島物揚場補修工事 |
現場名 | 新潟県 新潟港 |
撤去数量 | 162m |
施工期間 | 5日 |
採用理由 | 施工期間が限られていたため、人力による撤去作業での作業効率を懸念し、労力削減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 博多港ふ頭株式会社 |
工事名 | 香椎PPCT取付先端護岸車止め取替え工事 |
現場名 | 福岡県 博多港 |
撤去数量 | 38m |
施工期間 | 2日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 民間 |
工事名 | 車止め取替え工事(仮) |
現場名 | 香川県 民間バース |
撤去数量 | 143.5m |
施工期間 | 5日 |
採用理由 | 製品搬入のため、定期船が毎日入る岸壁で日中は工事が行えない現場。 離岸後、夜間の限られた時間内で工事を完了させるため、工期短縮が可能な当工法を採用。 |
発注者 | 那覇港管理組合 |
工事名 | 泊ふ頭2号岸壁車止め取替工事 |
現場名 | 沖縄県 那覇港泊ふ頭地区 |
撤去数量 | 29m |
施工期間 | 2日 |
採用理由 | 定期船の離岸中という限られた時間で工期内に撤去を完了させるため、工期短縮が可能な当工法を採用。 |
発注者 | 博多港ふ頭株式会社 |
工事名 | 中央ふ頭岸壁(10.0m)車止め取替え |
現場名 | 福岡県 博多港 |
撤去数量 | 38m |
施工期間 | 1日 |
採用理由 | 人力による撤去作業での作業効率を懸念し、労力削減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 四日市港管理組合 |
工事名 | 四日市地区岸壁13号地区車止め補修工事 |
現場名 | 三重県 四日市港 |
撤去数量 | 98.5m(H300-13.5m、H200-85m) |
施工期間 | 3日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。 貨物船が着岸していない短い期間で撤去を完了させ、工期短縮に効果を発揮した。 |
発注者 | 那覇港管理組合 |
工事名 | 那覇ふ頭2号岸壁車止め取替え工事 |
現場名 | 沖縄県 那覇港那覇ふ頭地区 |
撤去数量 | 22.8m |
施工期間 | 2日 |
採用理由 | 作業労力の軽減、施工期間の短縮、粉塵が発生しない衛生面等を評価され当工法を採用。 定期船の離岸中という限られた時間内で撤去を完成させた。 |
発注者 | 富山県 富山新港管理局 |
工事名 | 伏木富山港(新湊地区)港湾総合交付金東ふ頭1号岸壁車止め取替工事 |
現場名 | 富山県 伏木富山港 |
撤去数量 | 168m |
施工期間 | 6日 |
採用理由 | 施工期間の短縮と作業員不足による問題解消と、新工法採用による評価点アップの足掛かりとして当工法を採用。 |
発注者 | 民間 |
工事名 | 知多土木事務所 諸口工事のうち工事 |
現場名 | 愛知県 民間バース |
撤去数量 | 85.5m |
施工期間 | 3日 |
採用理由 | 本HPにて興味を持たれて作業効率と厳しい作業環境下でも対応できることが評価され当工法を採用。 夜間の限られた時間内で撤去を完了させた。 |
発注者 | 博多ふ頭株式会社 |
工事名 | 香椎パークポート先端護岸車止め工事 |
現場名 | 福岡県 博多港 |
撤去数量 | 139.7m |
施工期間 | 6日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され当工法を採用。既設車止めの撤去と、 新規車止めの設置作業を同時進行で行い、車止めのリニューアルを1週間という短期間で施工を完了した。 |
発注者 | 国土交通省 九州地方整備局 下関港湾事務所 |
工事名 | 令和2年度下関港(西山地区)岸壁(-12m)(改良)工事 |
現場名 | 山口県 下関港西山地区 |
撤去数量 | 239.8m |
施工期間 | 6日 |
採用理由 | 船舶の着岸による作業の中断等から工期への影響を懸念されたため、 足場が不要で施工期間の短縮が可能な点を評価され、当工法を採用。 |
発注者 | 三重県 四日市港管理組合 |
工事名 | 石炭埠頭7号岸壁車止め撤去設置 |
現場名 | 三重県 四日市港 |
撤去数量 | 113.2m |
施工期間 | 3日 |
採用理由 | 船舶が頻繁に接岸する現場のため、なるべく早期に撤去したいという発注者の意向により、当工法を採用。 |
発注者 | 福岡県 博多ふ頭株式会社 |
工事名 | 香椎パークポート先端護岸車止め工事 |
現場名 | 福岡県 博多港 |
撤去数量 | 27.0m |
施工期間 | 2日 |
採用理由 | 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され当工法を採用。 前回同様、新規車止めの設置作業を同時進行で行い、短期間で施工を完了した。 |
発注者 | 沖縄県 那覇港管理組合 |
工事名 | R5泊埠頭車止め取り換え工事(仮) |
現場名 | 沖縄県 那覇港 泊ふ頭 |
撤去数量 | 22.0m |
施工期間 | 1日 |
採用理由 | 限られた施工期間にて、定期船の離岸中という限られた時間で工期内に撤去を完了させるため、 工期短縮が可能な当工法を採用。 |