
開発経緯
高度成長期に多くの港湾施設が整備されたため、2035年には建設後50年以上経過する岸壁数が約6割になると言われています。また、日本では人口減少・超高齢化社会となり生産年齢人口が減少しています。今後、港湾工事においても労働力の不足が懸念されます。
このような背景の中、全国の港湾・漁港において老朽化対策としての維持補修が多く行われており、車止めの取り換えが増えています。
それに伴い、全国各地で数多く設置されてきた被覆鋼板製車止め撤去の機会も多くなり、現場では撤去に多大な労力と時間を要しているのが現状であり、現場から良い撤去方法はないか多くの声をいただきました。
弊社ではそのような問題を解決するために、ウォールソーを使った新工法「スラッシュカット工法」を開発し、生産性向上(工期短縮・作業の省力化・少人数化)を実現しました。
これからの現場において必ずお役に立てる工法であると確信しています。
特長
自在切断装置の本体にウォールソーを装着し、ウォールソーに角度を持たせ車止めの下部コンクリートごとアンカーボルトを切断する車止め撤去工法です。

-
工期短縮
従来作業1/2で車止めを撤去! -
作業員の省力化
オペレーターがリモコン操作にてボルトを切断! -
クリーン作業
ブレーカーでの粉砕・ハツリも不要、粉塵飛散ゼロを実現! -
環境への配慮
従来工法よりも作業音を軽減、民家隣接地域などの騒音問題を解消!
比較
従来工法による撤去工程(3m✖1本)

- 溶断・ハツリの繰り返し作業になり、1本撤去するために2時間近く必要とする。
- 人力で機材を使い作業をする必要があるため、岸壁より落水しないよう注意が必要。
- 季節や天候により、作業員のスピードに影響を及ぼし、撤去時間が左右される。
新工法による撤去工程(3m×1本)

岸壁際での作業を削減し安全面も向上。
工期が短い・作業員が確保できない・工事環境の制限が厳しい現場などではスラッシュカット工法が大活躍。
ぜひお問合せ下さい。
工事費用
- 弊社作業員3人派遣
- 自在切断装置(ウォールソー)にて切断・撤去(ブレード交換含む)
- 汚泥の吸引・清掃
- レンタル(トラック・発電機等)の引取り・返却
- 水(散水車)500ℓ/日
- 撤去後の車止めの産廃処理
- 汚泥処理、汚泥回収用タンク(一時回収のノッチタンクは準備あり)
- 撤去後のモルタル仕上げ
- 既設車止めとコーナー材が溶接している場合は、事前に溶断する必要があります。
- 上記の工事費につきましてはあくまでも参考の工事費となりますので、詳細は弊社までお問い合わせください。
参考
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
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移動 撤去準備 |
撤去準備 撤去10m |
撤去25m | 撤去25m | 撤去25m | 撤去15m清掃 | レンタル品返却移動 |
- 基本的に雨天でも作業は可能です。
施工事例
金沢港 御供田ふ頭

撤去延長 | 188m |
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施工期間 | 5日間 |
作業員 | 4名 |
作業内容 |
|
金沢港御供田国際ターミナルにて日本海側最大のつり上げ能力を持つクレーンが導入されました。それに伴い、岸壁の整備として、老朽化した車止めを撤去し、新たにコーナー保護材を設置する工事が行われました。
この期間に石川県で記録的な積雪に見舞われ、工事着工の遅れがありながらも、限られた期間内にて無事に作業を終えることができました。
・老朽化していた車止めと縁金物が溶接されていたため、車止めを撤去するには、切り離す溶断作業が必要でした。そのため、まずプラズマ切断機にて溶断班が溶断作業を行い、追う形で撤去班が車止めを撤去していきました。


・撤去後の車止めはユンボ(ハサミ)にて掴み、そのままトラックへ積載。ガラの飛散もなく、スムーズな積載ができました。


・車止めを撤去後、ハツリを行いコーナー保護材を設置しました。係船柱の再塗装や背後の補修により、綺麗な岸壁へと生まれ変わりました。

- 施工する地域によっては、現地にて機材・トラックの手配が必要になります。
- 撤去後の産廃処理・汚泥水の処理はご対応をお願い致します。
名目 | 数量 | 使用目的 |
---|---|---|
① 2t平車 | 1台 | スラッシュ機材運搬用 |
② 発電機 (24kvA) | 2台 | スラッシュ機材・溶断作業用 |
③ エアーコンプレッサ(20馬力) | 1台 | 溶断作業用 |
④ エアホース(20m程度) | 1本 | 溶断作業用 |
⑤ 給水場所の確保 | 1本 | スラッシュカット給水用。1~2㎥/日 |
実績
- 発注者
- 博多港ふ頭株式会社
- 工事名
- 試験施工
- 現場名
- 福岡県 博多港(那の津ふ頭・須崎ふ頭)
- 撤去数量
- 36m


- 発注者
- 東京港埠頭株式会社
- 工事名
- 平成26年度外貿埠頭等ヤード舗装及びその他補修工事
- 現場名
- 東京都 お台場ふ頭
- 撤去数量
- 473m
- 施工期間
- 12日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 長崎県長崎港湾漁港事務所
- 工事名
- 野母地区水産物供給基盤機能保全工事(-1m物揚場・新町線)
- 現場名
- 長崎県 野母漁港
- 撤去数量
- 63m
- 施工期間
- 3日
- 採用理由
- 民家隣接地域であるため、騒音を抑え、粉塵が発生しない当工法を採用。


- 発注者
- 国土交通省関東地方整備局千葉港湾事務所
- 工事名
- 千葉港中央地区岸壁(12m)付属施設改良工事
- 現場名
- 千葉県 千葉港
- 撤去数量
- 182m
- 施工期間
- 5日
- 採用理由
- 輸入車搬入ヤードのため、粉塵・ガラが発生しない当工法を採用。


- 発注者
- 石川県 金沢港湾事務所
- 工事名
- 金沢港ふ頭用地整備(御供田ふ頭)工事(付属施設)
- 現場名
- 石川県 金沢港 御供田埠頭
- 撤去数量
- 180m
- 施工期間
- 5日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 国土交通省 九州地方整備局
- 工事名
- 平成29年度博多港(中央ふ頭地区)岸壁改良工事
- 現場名
- 福岡県 博多港中央ふ頭
- 撤去数量
- 14m
- 施工期間
- 1日
- 採用理由
- 隣接する新設クルーズ岸壁との工区境の既設車止めの撤去。クルーズ船が着岸していないタイミングで撤去を完了させ、工期短縮に効果を発揮した。


- 発注者
- 新潟県 新潟港湾事務所
- 工事名
- 新潟港(西港区)万代島物揚場補修工事
- 現場名
- 新潟県 新潟港
- 撤去数量
- 162m
- 施工期間
- 5日
- 採用理由
- 施工期間が限られていたため、人力による撤去作業での作業効率を懸念し、労力削減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 博多港ふ頭株式会社
- 工事名
- 香椎PPCT取付先端護岸車止め取替え工事
- 現場名
- 福岡県 博多港
- 撤去数量
- 38m
- 施工期間
- 2日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 民間
- 工事名
- 車止め取替え工事(仮)
- 現場名
- 香川県 民間バース
- 撤去数量
- 143.5m
- 施工期間
- 5日
- 採用理由
- 製品搬入のため、定期船が毎日入る岸壁で日中は工事が行えない現場。離岸後、夜間の限られた時間内で工事を完了させるため、工期短縮が可能な当工法を採用。


- 発注者
- 那覇港管理組合
- 工事名
- 泊ふ頭2号岸壁車止め取替工事
- 現場名
- 沖縄県 那覇港泊ふ頭地区
- 撤去数量
- 29m
- 施工期間
- 2日
- 採用理由
- 定期船の離岸中という限られた時間で工期内に撤去を完了させるため、工期短縮が可能な当工法を採用。


- 発注者
- 博多港ふ頭株式会社
- 工事名
- 中央ふ頭岸壁(10.0m)車止め取替え
- 現場名
- 福岡県 博多港
- 撤去数量
- 38m
- 施工期間
- 1日
- 採用理由
- 人力による撤去作業での作業効率を懸念し、労力削減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 四日市港管理組合
- 工事名
- 四日市地区岸壁13号地区車止め補修工事
- 現場名
- 三重県 四日市港
- 撤去数量
- 98.5m(H300-13.5m、H200-85m)
- 施工期間
- 3日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮を評価され、当工法を採用。貨物船が着岸していない短い期間で撤去を完了させ、工期短縮に効果を発揮した。


- 発注者
- 那覇港管理組合
- 工事名
- 那覇ふ頭2号岸壁車止め取替え工事
- 現場名
- 沖縄県 那覇港那覇ふ頭地区
- 撤去数量
- 22.8m
- 施工期間
- 2日
- 採用理由
- 作業労力の軽減、施工期間の短縮、粉塵が発生しない衛生面等を評価され当工法を採用。定期船の離岸中という限られた時間内で撤去を完成させた。


- 発注者
- 富山県 富山新港管理局
- 工事名
- 伏木富山港(新湊地区)港湾総合交付金東ふ頭1号岸壁車止め取替工事
- 現場名
- 富山県 伏木富山港
- 撤去数量
- 168m
- 施工期間
- 6日
- 採用理由
- 施工期間の短縮と作業員不足による問題解消と、新工法採用による評価点アップの足掛かりとして当工法を採用。


- 発注者
- 民間
- 工事名
- 知多土木事務所 諸口工事のうち工事
- 現場名
- 愛知県 民間バース
- 撤去数量
- 85.5m
- 施工期間
- 3日
- 採用理由
- 本HPにて興味を持たれて作業効率と厳しい作業環境下でも対応できることが評価され当工法を採用。夜間の限られた時間内で撤去を完了させた。


- 発注者
- 博多ふ頭株式会社
- 工事名
- 香椎パークポート先端護岸車止め工事
- 現場名
- 福岡県 博多港
- 撤去数量
- 139.7m
- 施工期間
- 6日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され当工法を採用。既設車止めの撤去と、新規車止めの設置作業を同時進行で行い、車止めのリニューアルを1週間という短期間で施工を完了した。


- 発注者
- 国土交通省 九州地方整備局 下関港湾事務所
- 工事名
- 令和2年度下関港(西山地区)岸壁(-12m)(改良)工事
- 現場名
- 山口県 下関港西山地区
- 撤去数量
- 239.8m
- 施工期間
- 6日
- 採用理由
- 船舶の着岸による作業の中断等から工期への影響を懸念されたため、足場が不要で施工期間の短縮が可能な点を評価され、当工法を採用。


- 発注者
- 三重県 四日市港管理組合
- 工事名
- 石炭埠頭7号岸壁車止め撤去設置
- 現場名
- 三重県 四日市港
- 撤去数量
- 113.2m
- 施工期間
- 3日
- 採用理由
- 船舶が頻繁に接岸する現場のため、なるべく早期に撤去したいという発注者の意向により、当工法を採用。


- 発注者
- 福岡県 博多ふ頭株式会社
- 工事名
- 香椎パークポート先端護岸車止め工事
- 現場名
- 福岡県 博多港
- 撤去数量
- 27.0m
- 施工期間
- 2日
- 採用理由
- 作業労力の軽減と施工期間の短縮の点を評価され当工法を採用。前回同様、新規車止めの設置作業を同時進行で行い、短期間で施工を完了した。


Q&A
- レンタルは可能ですか。
- 現在、レンタルは行っておりません。弊社スタッフが3名で現場に行き撤去を行います。
- 水はどのくらい必要ですか。
- 1日当り約500ℓ程度使用いたします。給水用の散水車もしくは給水場所の確保をお願いいたします。
- 撤去後の車止めはどうしたらいいですか。
- 元請業者様でお願いいたします。車止めは撤去したままダンプに積載し産廃場に運搬していただいております。
- 撤去後の岸壁はどの様に修復したらいいですか。
- 既設の車止めのアンカーボルトはジンクリッジなどで錆止めを行い、岸壁のカットした部分を無収縮モルタルで補修してください。
- 撤去後の新しい車止めはどの様に設置したらいいですか。
- 同じ法線で設置するとアンカーボルト建込み時、既設のアンカーボルトに干渉する事があります。セットバックをして車止めの法線をずらすことをお勧めいたします。
- 海に汚泥が流れないのですか。
- 車止めと車止めの間にウレタンフォームと止水板により汚泥が流れないように対策を行いウォールソーが稼働している間も作業員が汚泥の吸引作業を同時進行で行います。
- 足場は必要ですか。
- 陸上工事のため足場は不要です。
- 縁金物のカットは可能ですか。
- 側面カッターも出来るように検討中です。
- 車止め以外の撤去は可能ですか。
- 検討いたしますので弊社までお問い合わせください。
- どんな車止めでも撤去が可能ですか。
- 基本的に撤去は可能です。被覆鋼板製車止めにおいて、上部コンクリートの中に鋼板が埋設されている場合、スラッシュカットの前に埋設部の鋼板(陸側)を切り離す必要があります。また、幅の広い車止めはブレードが入らない可能性があるのでご相談ください。
- 工事を依頼したい場合、どのようにしたらいいですか。
- 問合せフォームにご記入の上、ご連絡をお願いいたします。弊社担当者よりご連絡させていただきます。